箱根十七湯
〜箱根が持つ天与の恵み〜

塔之沢

早川渓流沿いの函嶺洞門を抜けると、塔之沢であった─そんな文学的な表現がぴったりの温泉です。老舗旅館の多い閑静な雰囲気が文人たちの想像力を刺激するのでしょうか。塔之沢温泉は、江戸時代から文学や旅行案内によく描かれました。弥次喜多の『東海道中膝栗毛』で有名な十返舎一九も、「湯宿も奇麗風流にて、入湯もおほく…(『箱根江の島鎌倉道中記』)」と書いています。江戸初期に発見された温泉ですが、100年も経たずに「元湯、一湯、せとの湯…など12~13もの湯つぼがある(藤本由己著『塔澤紀行』)」というほどの湯治場に発展しました。元湯は現在の「環翠楼」、一湯は「一の湯」です。また、明治に開業した玉の湯旅館は福澤諭吉の定宿として知られ、「福住楼」と名を変えて今日に至っています。
塔之沢では、かつて基盤岩類の亀裂から温泉が湧出していましたが、今はボーリングによって湯本温泉と同じ基盤岩類中から揚湯されています。

~輝かしい老舗旅館が並ぶ湯の里~

【花の散歩道】
 塔之沢駅から塔ノ峰に向かう山道を30分ほど歩くと、関東では珍しい山寺「阿弥陀寺」に着きます。開山の祖、弾誓上人は塔之沢温泉を発見したことでも有名です。さらにこの寺の名を高めているのが、参道や境内を埋めつくさんばかりの7千株ものあじさい。悲劇のヒロインとして知られる皇女和宮ゆかりの寺としても知られ、初夏のあじさいが香華となって咲き誇ります。

【泉質】単純温泉、アルカリ性単純温泉
【源泉総数】9 
【泉温】38〜63℃  
【湧出量】793ℓ/min

【アクセス】
箱根湯本から箱根登山鉄道で3分「塔ノ沢」下車
箱根湯本から湖尻・桃源台・元箱根方面行きバスで「塔ノ沢」下車

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