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箱根登山電車は、箱根湯本から強羅までの8.9km を約40 分かけて山間を走る日本で有数の本格的な山岳鉄道です。1919 年開業の歴史ある電車で、粘着式鉄道では最も急勾配となる80‰(パーミル)の勾配をのぼる姿は圧巻。急勾配やカーブが特徴的な路線です。

乗車体験を想像してみましょう

ホームには、伝統的なデザインの赤い車体の電車が停まっています。電車は観光列車らしく、少し懐かしい雰囲気が漂います。
電車に乗り込むと、木目調の内装と柔らかいシートの質感が心地よく、落ち着いた空間を感じます。進行方向に向けられた座席や、大きな窓があるのが特徴です。窓が開く場所もあり、新鮮な空気を楽しむことができます。
電車が動き出すと、レールの上を進む「ガタンゴトン」という心地よい音が響きます。途中で急な坂道を登ると、エンジンの音が少し力強くなり、体が軽く押し戻されるような感覚を味わえます。

スイッチバックの体験

山の傾面を登るためスイッチバック方式をとり入れてジグザグに登ります。スイッチバックは出山信号場、大平台駅、上大平台信号場の3ヶ所で行ない、そこでは運転士と車掌が入れ替わります。スイッチバックの際の音の変化が独特です。普段の鉄道では体験できないものです。

沿線の自然の息吹

季節ごとに異なる自然の香りが漂います。春は桜や新緑、夏は草木の香り、秋は紅葉の甘い香り、冬は冷たい空気に混じる木々の香りが感じられます。電車が木々のトンネルを抜けると、風が顔に当たり、進行方向の変化による体の揺れが感じられます。

終点の強羅駅に近づくと、電車が減速し、到着する際のブレーキ音が特徴的です。風向きによっては駅の周辺には温泉地特有の香りが漂い、旅の終わりを告げます。

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