箱根十七湯
〜箱根が持つ天与の恵み〜

底倉

底倉温泉は、江戸時代から七湯の一つに数えられていました。宮ノ下温泉と隣接し、蛇骨川(じゃこつがわ)に架かる八千代橋の手前を折れて下ります。明治期には、外国人が宮ノ下を好むのに対して、日本人に好まれる温泉として栄えました。岩の割れ目から高温の弱食塩泉と単純温泉が湧出していて、痔疾や淋病、疝気などの治療に効果があったからです。宿の主が灸や食事療法を行う、いわば「温泉療養センター」の先駆けとして、底倉温泉の名は箱根の歴史に刻まれています。今も底倉の温泉は「かめ張り」という方法で集湯され、多くは宮ノ下温泉に送られています。
歴史をさらにさかのぼれば、戦国時代、豊臣秀吉が小田原攻めのときに蛇骨川(じゃこつがわ)の川原に掘らせたという伝説の太閤石(いわ)風呂も残っています。毎年8月上旬に熊野神社で催される「太閤ひょうたん祭」は、太閤秀吉ゆかりの祭です。

~川底に湧く白い湯の倉~

【蛇骨川(じゃこつがわ)の神秘】
蛇骨川(じゃこつがわ)。ちょっと恐ろしげな川の名ですが、川底や右岸の岩肌に白い温泉沈殿物が付着し、その有様が“蛇の骨”のように見えたところから付けられました。沈殿物の実体は無定形の珪酸で、乾燥剤に用いるシリカゲルと同じものだと考えればよいでしょう。昭和の初めころまでは見られた現象ですが、今ではほとんどなくなりました。蛇骨川周辺の湧泉は、蛇骨湧泉と呼ばれます。それらはすべて採取・利用されているわけではなく、蛇骨川へと流れて温泉川となります。

【泉質】単純温泉、ナトリウム─塩化物泉(弱食塩泉)
【源泉総数】28
【泉温】27〜95℃ 
【湧出量】1,020ℓ/min

【アクセス】
箱根湯本から箱根登山鉄道で22分「宮ノ下」下車
箱根湯本から元箱根方面行きバスで「神社下」下車

Instagram FACEBOOK