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ホテルで巡る歴史散策、宮ノ下ノスタルジア。

■旅先のホテルでの「小さな旅」で、大きな歴史の流れを体感。
歴史の街、箱根。箱根には様々な名所、旧跡があり、それらを巡るのも箱根での楽しみの一つですね。箱根山がまだ活発な火山活動を見せていた頃の様子なら大涌谷の噴煙地、江戸時代の面影を探すなら箱根関所や旧街道の石畳もおすすめです。そして明治、大正のノスタルジーなら宮ノ下が有名ですね。
今回ご紹介するのは、宮ノ下でひときわ歴史を感じるホテル「富士屋ホテル」で楽しむ歴史散策です。富士屋ホテルといえば130年を超える歴史があり、その長い歴史の中で生まれた様々な物、事が博物館のように揃いつつもそれら全てが現役。見るだけではなく宿泊する事が出来るホテルで、その楽しみ方は様々です。
今回は富士屋ホテルで開催されている「館内ツアー」に参加。その小さな旅を体験してみたいと思います。

今回館内ツアーに参加するお二人。左:萩原さん、右:青木さん。この館内ツアーをとても楽しみにされていたそうです。

■見るもの全てが新鮮!館内ツアー。
今回、富士屋ホテルの館内ツアーに参加するお二人、萩原さんと青木さんです。宿泊者限定のツアーで所用時間は約30分。館内の見所を巡ります。館内で手軽に楽しめるので大変人気のある館内イベントです。
富士屋ホテルの各建物には独特の世界観があり、明治の頃に建てられたという建物の斬新なセンスは現代に至っても大変興味深く楽しめるものです。建物だけでなく、実際に今使われている調度品もすばらしいもの。大切に受け継がれて来たものが沢山あります。
今回このお二人は館内ツアーの後にもう一つのお楽しみがありますが、それはまた後ほど。
ご案内は富士屋ホテルの中田さん。では、早速ノスタルジーの世界へ小旅行です。(館内マップはこちら

メインダイニングルーム「ザ・フジヤ」の見事な事!案内役の中田さんが注目の特徴を解説してくれます。寄木張りの床、天井に描かれた花鳥の絵は有名。思わぬ所におもしろい彫刻が。彫刻の数だけでも相当なものです。

■見事な彫刻と造形美。メインダイニングルーム「ザ・フジヤ」。
まず向かったのはメインダイニングルーム「ザ・フジヤ」。富士屋ホテルのメインダイニングルームはその見事な造りからも有名で、富士屋ホテルへ行ったら必ず見ておきたい場所の一つです。
天井は吹き寄せ格天井、天井板には花鳥が描かれ周囲を動物や植物の彫刻が取り囲みます。和風の照明がぐるりと空間を取り囲み、和と洋の要素が興味深いバランスで成り立っています。この意匠は後に花御殿建設の際集大成され、世界的に有名な建築を生み出す事になります。
富士屋ホテルを建築という視点から見ても人気が高いのは、ただ懐かしいという事ではなく、この面白いバランスで成り立つ建築が今から遥か昔に建てられていた、という所にもあると感じられます。メインダイニングルームは昭和5年竣工。今から80年も前に建てられたものです。

レストランの中央には飾り舞台が。彫刻が至る所に見られます。メインダイニングルームは日光東照宮をモデルに作られた建物だそうです。飾り舞台の横には大きな獅子とライオンの彫刻も見られます。建設された当時は災害が多く、気迫を表す為に彫られたのではないかと言われているそうです。様々なエピソードと共に楽しめるのが館内ツアーの魅力の一つ。その時代の様子が伝わって来ます。

壁の照明は純和風。彫刻が周囲を囲みます。/花にも見える窓の飾りは飛行船「ツェッペリン号」がモチーフ。当時ドイツで活躍していた飛行船です。/柱の根本には人面の彫刻。メインダイニングルームの建設を行った3代目社長山口正造氏の顔です。従業員達の様子を常に見ているという気持ちからここに正造氏の顔が作られました。/様々な所に富士屋ホテルのマーク。オーセンティックな魅力が細部からも感じられます。

■正装した紳士淑女が集まる華やかなダンスホール「カスケードルーム」。
次に向かったのが「カスケードルーム」。ステンドグラスと彫刻が見事です。窓からは四季折々の自然、昼と夜の美しい表情をいつの時代の人も楽しんだ事でしょう。庭園の小さな滝が見える事から「カスケードルーム」と名付けられました。

ダンスホールとして使われていたカスケードルーム。現在はウェディングの際のパーティーや会議などで利用する事が出来ます。大きな一枚ガラスから見える景色は富士屋ホテルの庭園です。新緑、紅葉ともに風情ある景色を見せてくれます。

欄間の彫刻は一枚板の透かし彫り。モチーフは東海道の風景や愛嬌のある動物達、人々の旅の様子など。そして見事なステンドグラスに目を見張ります。芦ノ湖、富士山。赤い欄干のこちら側は富士屋ホテルのイメージ。作者の遊び心が伺えます。

カスケードルームの建設は大正9年。世界大戦の後に建てられた建物です。その事を深く印象付けるのが、欄間の上に乗った40羽の鳩。平和を強く願い、平和の象徴である鳩が置かれました。実はこの中に1羽だけ赤い目を持つ鳩がいるとか。幸せの象徴である鳩の中の「特別な」鳩。見つけられたら幸せが訪れるかもしれませんね。

セピアカラーやモノクロの写真の中には今見て来た場所が。メインダイニングルームの当時のにぎわいを見ると、今も歴史の流れの中に存在する事を実感します。

■「史料展示室」には興味深いものが沢山!実際に使われていたレトロな道具達も。
「史料展示室」にやってきました。富士屋ホテルの史料展示室では、富士屋ホテルの歴史はもちろん箱根全体の歩みも感じ取る事が出来ます。
昭和天皇が仙石ゴルフコースでプレーをされた当時のゴルフクラブや、当時実際に使われていたピアノやタイプライター、自動計算機など、今では見られなくなった当時の「最新機種」を見る事が出来ます。
ジョン・レノンやチャーリー・チャップリン、三島由紀夫など数々の著名人が箱根を訪れ、富士屋ホテルに滞在した時の写真やサイン、エピソードなども残っています。ホテルの備品も興味深いもの。様々なものが全てそれぞれの時代には現役で活躍し、役割を終えた後でも大切に保管され、後世の私たちを楽しませてくれます。

当時使われていたホテルの備品なども展示されています。そして棚に並ぶのは58冊のレジスターブック。全て箱根町の重要文化財指定書です。沢山の人が富士屋ホテルを訪れた証であり、時代の様子を読み取る事が出来る貴重なものです。

万国ヒゲ倶楽部の創設者、三代目社長の山口正造氏と倶楽部会員の写真。富士屋ホテルの海外宣伝活動の効果を高める為に創立され、様々な国から会員が集まります。そしてどの方もおひげが立派!それはそれは長い髭の方もいらっしゃいます。

富士屋ホテルが今も昔も沢山の人に注目され、「宿泊したいホテル」として憧れの対象であり続ける理由の一つに、良い所を大切にしつつ、常に時代の流れに合ったホテルであった事が挙げられるでしょう。その時代ごとに求められるものや事を察知し提供してくれる。そして日常では味わえない素敵な体験が出来るホテルである事。それを長い年月をかけて示し、積み重なって出来た「歴史」だからこそ魅力を感じるのでしょう。周到に考えられた遊び心も魅力です。メインダイニングルームの人面の彫刻も然り、そして「万国髭倶楽部」の発案はその要素を色濃く感じるものの一つです。

「館内ご見学記念証」を受け取ります。今日の日付が入り、とても楽しい旅の記念に。ご案内役の中田さん、とても楽しい時間をありがとうございました。

■ツアーはここで終了です。見学の記念証を受け取ります。
見るもの全て懐かしい雰囲気を持ちながら新鮮。あっという間の30分間です。この日は3カ所を巡りましたが、他にも花御殿や、その花御殿のスイートルーム、館内のあちこちにある彫刻など見所は沢山。最後に一つ、粋な洒落心が感じられるものをご紹介します。ティーラウンジ「オーキッド」の向かい側に、「NINETEENTH HALL」と書かれた木の板がかけられています。そしてその近くの柱にはゴルフクラブが彫られています。さてその意味は?
通常、ゴルフコースは18番ホールまで。仙石ゴルフコースでプレーを楽しんだ後、ぜひここでゆっくりお過ごし下さいという洒落ですね。このふと楽しくなる富士屋ホテルの感性に触れる時が楽しくなる瞬間です。

富士屋ホテルの館内ツアーはここで終了。見学場所は毎回違いますので、その日にどこを見られるかはツアー開始までのお楽しみになっています。館内ツアーは天気にも左右されず開催されますので、宿泊の際はぜひ皆さんも参加されてみて下さい。
では、これから二人はもう一つのお楽しみの場へ。弾む様な足取りの二人を追いかけてみましょう。

■館内散策の後は美味しいお楽しみ。春の特別なスイーツです。
館内ツアーの後二人が向かったのは、ティーラウンジ「オーキッド」。ここに今回の旅で楽しみにしていたもう一つのお楽しみが待っています。
毎年この時期に箱根で始まる「箱根スイーツコレクション」にも登場しているケーキがここでいただけるのです。春を感じるロマンチックなケーキは「寄木ケーキ2010春(茂木栄二からの贈り物)」です。茂木グランパティシエが造り出した春のケーキは爽やかないちごがたっぷり使われています。
そしてもちろんモチーフには「箱根寄木細工」が。寄木細工ケーキは富士屋ホテルのオリジナルケーキで、この春のケーキで5種類目。バタークリームを使い、懐かしさを感じさせつつ洗練された味わい。声がワントーン上がってしまうような「美味しい!」が仕込まれたケーキなのです。

庭園を眺めながらゆっくり楽しむティータイム。この笑顔がケーキの美味しさを物語っています。テーブルの上には、一足早い春が訪れたようです。

さて、お二人の反応は。ケーキを前に笑顔になる女性が二人、という風景は、女性もその場の雰囲気もぱっと華やかにしてくれます。
しばしケーキを眺めてから一口。そのさっぱりとした甘さと滑らかさに驚いたようです。
このケーキのバタークリームはふわっと軽く、しかし独特の滑らかさがあります。そして爽やかな甘さと苺の濃厚な香り。まだ春までもう少しという箱根に来て、一足早く春の気分が楽しめる、そんな味わいです。
こちらのケーキ、寄木細工のケーキとしては第5弾になります。ケーキの上を見てみると淡いピンクとホワイトで寄木細工の模様が。寄木細工のケーキは富士屋ホテルのオリジナル。ここでしか楽しめない、箱根ならではのケーキなのです。
茂木グランパティシエからの贈り物は弾む様な香りと春の味わい。二人は多いに満足したようです。

爽やかないちごの香りがたまらない!5枚重ねのアーモンドスポンジの間にもいちごのクリームが。甘さ控えめでアイスクリームとの相性も絶妙です。香りの濃さとフレッシュいちごたっぷりで大満足のケーキ。

■モチーフになった箱根寄木細工。箱根ならではのケーキになりました。
箱根寄木細工は箱根畑宿で生まれた伝統工芸。畑宿には現在も箱根寄木細工の職人さんの工房があります。自然の木の色を活かして様々な模様を造り出し、その模様を活かして制作する作品は実に見事。温もりを感じる仕上がりです。
富士屋ホテルでは箱根ならではのスイーツの開発に力を注ぎ、寄木細工ケーキを誕生させました。寄木模様の美しさが再現された「寄木細工ケーキ」は制作に何倍もの手間がかかるそうです。もちろん今回のケーキにもこの箱根ならではの寄木模様を見る事が出来ます。


■他にもお楽しみは沢山。ここでしか楽しめない素敵な味わいを。
富士屋ホテルでは他にも様々な「オリジナルの美味しさ」を楽しむ事が出来ます。
別館 旧宮ノ下御用邸「菊華荘」では寄木細工に見立てて作られた「箱根寄木膳」がお勧めです。その時期に旬を迎えた食材で作られ、その内容もバラエティー豊か。明治28年に皇室の宮ノ下御用邸として建てられた菊華荘は近代産業遺産に認定されています。
そして、各部屋に花の名前が付けられている「花御殿」。その全43室に付けられている全ての花をモチーフに、メインバー「ヴィクトリア」で素敵なカクテルが誕生しています。旅の思い出にぜひ楽しみたいカクテルです。

富士屋ホテルの館内ツアー、いかがでしたでしょうか。ツアーに参加した後、もう一度ゆっくり史料展示室へ向かう人も多く居る事でしょう。それだけ興味深く、何度でも楽しみたい内容になっています。もちろんティーラウンジでの美味しい春のケーキもお勧めです。他にも美味しくておすすめのスイーツはあるのですが、期間限定のスイーツはお早めに。
ホテルの中の小旅行。歴史を体感しながら過ごせるホテルで、ホテルの中の「小さな旅」をお楽しみ下さい。


富士屋ホテル
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359 MAP
TEL 0460-82-2211
オフィシャルページ
■館内ツアーは宿泊の方が楽しめる館内での小旅行。富士屋ホテルが提案する様々な宿泊プランと一緒にお楽しみ下さい。宿泊プランのページへ
■館内でのお楽しみが沢山。ゆっくりホテルでの時間を楽しみたい方はこちらもご参考に。

(財)箱根町観光協会

ブログ説明

仙石原の公時神社では、5月5日のこどもの日に子供の健康を願って公時祭が開催されます。力自慢の逸話が残る坂田公時。公時神社は坂田公時を奉る神社です。

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